08:己の力で道を切り開く

そもそも、この家の隣接道路が3mギリギリであるという話は以前もしましたが、それ以上に問題になっているのが家の周囲に生い茂る、十数年に渡って手入れされていない庭木でした。

こやつらのおかげで唯でさえ狭い間口が更に圧迫されているのです。

その時、男Aが言い放ちました。

「ぶった切るぞ」

何ということでしょう。

突然、男Aの手には電動チェーンソー(※1)が現れたのです。

男Aは、バッサバッサと邪魔くさい庭木を切って切って切りまくりました。

また別の男Bが、物騒なことを言い放ちました。

この境界のコンクリ、邪魔じゃね?

何ということでしょう、男Bは自宅からコンクリハンマを持ってきたのです。

「なんで、そんなモン持ってんの?」

という、当事者の疑問をよそに、男Bはおもむろに境界のコンクリートを破壊しはじめたのです。

男Cも特に疑問を感じていないのか、コンクリ片を片付け始めました。

家主が気がつくと、まるでモーゼの十戒のように鬱蒼とした庭木やら、邪魔くさかった境界のコンクリは道を開き、眼の前にはやけにスッキリした家の庭と隣接道路が現れていたのです。

なんというか、家主は諸行無常を感じながら、

「他力本願」

という悟りの境地に達したのでした。

この大量破壊のおかげで家への侵入経路は格段に広くなり、3トン車が家の前まで侵入可能になり、家の修復作業が格段に楽ちんになりました。


うちの友達連中が本気を出すとホントにすごい。


※1)後に、電動チェーンソーでは力不足とのことで、どこからともなくエンジンチェーンソーが持ち込まれることになります。


猫家陶房

築50年くらいの昭和のボロ屋を貰い受け、セルフリノベーションしながら畑を耕したり陶芸したり自転車乗ったりギター弾いたりしてる、一応システムエンジニアだったりするサラリーマンです。

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